移住して始まった怒涛の新生活と親の不安
移住してすぐの頃、私たち家族は怒涛の日々を過ごしていました。
銀行の口座開設、家探し、ビザの申請、新しい学校、初めて会う先生や友達、保護者...。
親も子も何から何まで初めての連続で、心も体もパンパンでした。
出国前、友達や家族から「またメールしてね!」と言われていたけれど、そんな余裕は一切なくて。
息子が学校に行っている間に、ビザの申請書類を整えたり、銀行に行ったり、物件を巡ったり...。
毎日がとにかく“生活を整えるための作業”でいっぱいで。気づけば夜。そこからやっと寝る…そんな日々の繰り返しでした。
そんな中で、息子のスクール生活は始まりました。

英語80%でも「大丈夫!」と言えた息子の強さ
息子は日本で2年間インターナショナル幼稚園に通っていたので、
生活に困らない程度の英語力はありましたが、“学習としての英語力”は心配でした。
インターナショナル幼稚園に入園したばかりの頃、
息子は毎日泣きながら通っていたからです。
英語が分からない事、園を転園したくなかったこと―――
あの時の姿が頭をよぎり、私の不安は消えませんでした。
でも、実際には。
「学校どう?先生の英語わかる?」
と聞くと、
「全部は分からないよ。でも80%くらいは分かってる。大丈夫!」
と、あっけらかんと答える息子。
あの頃の涙はどこへ行ったんだろう、と思うくらい元気に通っていました。
宿題が出始めると、書くことには苦戦していました。
「書くことが一番難しいので」と日本のインターの先生も言われていたので、
ここは反復練習しかないと覚悟して、一緒にGoogle翻訳を使いながらサポートする日々。
気づけば、夏休みでした。
たった半年で別人と言われた息子の変化
移住して初めての夏休み、私たちは日本へ一時帰国しました。
会ったのは家族、ごく少数の友達。そして日本のインターナショナル幼稚園の先生。
そこで驚く出来事が続きました。
最初に会った先生は、息子の英語を聞いて開口一番、
「半年でこんなに英語上手になったの?スピードもネイティブ並みだね!」
と本気で驚いていました。
先生自身の英語で話すスピードも、以前より明らかに速く、
「今まで園児に合わせてゆっくり話してくれていたんだ...」と初めて知りました。
それでも息子は、自然に会話をしていました。
そして次におばあちゃんから言われた言葉。
「表情がすごく優しくなったね。学校、楽しいんやね。」
…正直、胸がジーンとしました。
毎日見ている私たちは、全く気づけていなかったのです。
むしろ出国前は、息子の表情はどこか固く、「小学校は、楽しくないから行きたくない」と毎日言っていたことを思い出しました。
同じインター幼稚園に通っていたママ友からも同じことを言われ、
「ああ、本当に変わったんだな」
と実感しました。
半年という短い時間でも、環境が合うとこんなに変わるんだ―――。
移住してよかった。
心からそう思った瞬間でした。

“楽しい”が学びを変える――息子からの大きな気づき
この半年を振り返って気づいたことがあります。
息子は“楽しい”と感じられる環境に出会い、表情も、英語も、心も、驚くほど変わっていきました。
無理に頑張らせるより、
その子が自然とワクワクする場所で学ぶ方が、力は何倍にも伸びていく。
そして、親が思っている以上に、
子どもは新しい世界にしなやかに順応していく。
私が移住前に抱いていた不安は、
もしかしたら「大人の世界の不安」であって、
子どもの世界には当てはまらなかったのかもしれません。
“楽しい”は、最強の学びに変わる。
息子がそのことを、身をもって教えてくれました。



