子どもに家事を任せた日、私の方が大切なことを教わった

KIRD1305 心と暮らし

子どもにご飯を任せてみた休日の朝

ある休日の朝、息子に

「お昼のご飯、炊いといてくれる?」とお願いしました。

「いいよ!」

と、快く引き受けてくれました。

我が家は鍋でご飯を炊いています。

何度か一緒にやったことはありますが、

ひとりで炊くのは初めて。

私は他の家事をしながら、そっと息子の様子を見ていました。

早くしてほしい自分と、見守りたい自分

まずはお米を測るところから。

息子は、米の入った容器に手を入れて、

ぐるぐるとかき回しながら感触を楽しみ、

計量カップに入れては出し、

パラパラと落ちるお米をじっと眺めていました。

「……いつになったら炊けるの?」

正直、心の中では少しだけイライラしていました。

でも今日は、

“何も言わずに見守る”と決めていた日。

「早くしなさい」と言いたい気持ちを、

ぐっと飲み込んで見ていました。

水を測る時も、息子は何かを観察するように、

ゆっくり、丁寧に。

そしてようやく、ガスコンロに火をつけました。

終始、鼻歌を歌いながら。

子どもは「作業」を「遊び」に変えていた

「炊けたよ!」

「ありがとう。そのまま蒸らしておいてね。

次、シャワールームの掃除お願いしていい?」

「いいよ!」

シャワールームでも、息子はまるで水遊びの延長のように、

鼻歌を歌いながら掃除をしてくれました。

時間はかかる。

でも、どこか楽しそう。

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自分でやり切ったという誇らしい顔

お昼ご飯の時間。

息子が炊いてくれたご飯を、家族で食べました。

「今日のご飯、ふっくら炊けてておいしいね。」

主人のその一言に、

息子はとても嬉しそうな、誇らしいような表情を浮かべました。

その顔を見た瞬間、

私の胸の奥がじんわり温かくなりました。

もしあの時、

「早くして」と急かしていたら。

もし途中で、

手を出してしまっていたら。

きっと、

“自分ひとりでやり切った”という誇らしさは、

あの表情には表れなかったかもしれない。

そう思いました。

もちろん、

いつもこんな風に関われるわけではありません。

そのとき私も、

毎回こんな風に待てているわけじゃないな、

と同時に思いました。

余裕がなくて急かしてしまう日も、たくさんあります。

でも、だからこそ、

ほんの少し立ち止まれたこの瞬間が、

私にとってはとても大きな気づきでした。

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私が忘れていた感覚

ご飯を炊くことも、掃除をすることも、

私にとっては“毎日の作業”です。

いつも私は、

・やりながら次の段取りを考えて

・同時進行で物事をこなして

・早く終わらせて次へ

そんな風に動いていました。

それも必要な時は、もちろんあります。

でも――

息子は、

鼻歌を歌いながらでも、

遊びながらでも、

ちゃんとご飯を炊いて、

ちゃんと掃除を終わらせていました。

昼ごはんにも間に合ったし、

シャワールームもきれいになっていました。

「早くしなさい」と言われて育った私

ふと、自分の子ども時代を思い出しました。

「早くしなさい」

「遊ばず、きちんとやりなさい」

学校でも、家でも、

そんな言葉をよく聞いていた気がします。

だから私も、

息子に同じ言葉を言いそうになっていました。

――いや、正直に言えば、

言ってしまった日もあります。

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鼻歌で生きてもいいのかもしれない

でもこの日の息子を見て、思いました。

鼻歌を歌いながらでも、

遊びながらでも、

ちゃんと生活は回る。

だったら、

私ももう少し、

鼻歌まではいかなくても、

こんな風に家事ができたらいいな。

もう少し肩の力を抜いてもいいんじゃない?

もう少し、今を味わうように生きてもいいんじゃない?

それは、息子に向けた問いではなく、

自分自身への問いかけでした。

これは「こうするべき」という話ではなく、

ただ、あの日の私の小さな気づきの記録です。

頑張りすぎなくていいという気づき

大人になると、

・効率よく

・要領よく

・早く

・きちんと

を、いつの間にか当たり前に求めてしまいます。

でも、

子どもはちゃんと“今”を生きていました。

感じて、味わって、楽しんで。

その姿を見て、

私は大切なことを思い出させてもらった気がします。

頑張りすぎなくていい。

急がなくてもいい。

ちゃんと、間に合う。

そんなことを、

息子が教えてくれた休日でした。

これからもまた、上手くできない日もきっとあります。

それでも、また気づけたらいい。

それくらいの気持ちで、子育てを続けていきたいと思います。

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